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      自前芸妓へ

      Posted by admin on 25th 5月 2008

      年期を終える頃になるとまた一つの節目がやってくる。自前になるか、やめるか。自前とは屋形から経済的に独立している芸妓のことで、真の意味での一本立ちとは自前になることであろう。
      廓の中か近くに住まいをかまえ、着物類も自分で購入することになるが、それには莫大な費用がかかる。旦那のある妓は良いが、ない妓は働きながら返済してゆ かねばならない。大きな借金を抱えてまでやってゆきたい程、自分にとって魅力のある世界なのか。衿替えはしたものの、芸妓の生活は舞妓の時よりずっと厳し く、芸においてもハイレベルのものを要求されるので、もう一度悩む妓が多いのが現実だ。
      年期は普通6年前後。決心が付けば年期明けの日、分家姉妹(同じ屋形出身の芸妓やすでにやめていても連絡の取れる人)はじめ、関係筋に挨拶に回る。もちろ ん屋形の女将にもしっかりとお礼を述べて、芸妓としても人間としても一人立ちするのである。10代半ばで廓に入って来る子らは現在でも母子家庭に育った子 供の割合が多い。自前になって母親を呼び寄せ一緒に住むのが芸妓の夢であり、誉れであると廓の中では考えられている。

      Filed under:生きている「郭」を見つめて, 自前芸妓へ | 感想が1つあります